皆さんは知っていますか?
実は、皆さんがイメージする桜の香りは、桜の花そのものの香りではありません。
桜の香り成分そのものを抽出するのはとても難しく、市販できるまでには至らないのです。
では、皆さんが知っている桜の香りは何か?
桜の花や葉をすりつぶしたり塩漬けすることにより、クマリン(ポリフェノール群のひとつ)という成分を生成した際に放たれるものです。
桜餅や桜茶の香りはこれによるものです。
桜には、クマリン以外にも、私たちに役立つ作用を持つ成分がたくさんあります。
桜の効果
桜の香りでリラックス
桜が持つ特有の香りが、副交感神経(リラックス時に優位になる自律神経のうちの一つ)に働きかけます。
また、桜の木にはフィトンチッドという殺菌作用を持つ成分が含まれていて、この成分により、桜は自身を病原菌から守っています。
フィトンチッドの成分は人間にとっては鎮静作用があるため、体や心の緊張をほぐします。
桜餅で二日酔い予防
お花見の席でお酒を飲む前に桜餅を食べると、クマリンの体内の酸化を抑える抗酸化作用により、アルコールのダメージを抑えます。
アンチエイジング
たんぱく質と糖が結びつく状態をAGEといい、老化の原因になるといわれています。
桜に含まれる成分である、糖の吸収を防ぐレスベラトロールにより、アンチエイジングに役立ちます。
ニキビ改善
桜の木の皮(桜皮(おうひ))は、十味敗毒湯という漢方薬の原料のひとつです。
ホルモンバランスを整えることで、皮脂の分泌を押さえニキビを抑制する働きがあります。
デメリットも忘れないこと
これまで、桜に含まれるクマリンやレスベラトロールのメリットについてお話しました。
ですが、デメリットもあります。
クマリンは、継続して大量に摂取すると、肝毒性・腎毒性(肝・腎障害を引き起こすなどの有害性)が発生することがあります。
レスベラトロールは、妊娠への悪影響を及ぼす場合があります。
日常的にこれらの成分を大量摂取することなどは、あまり有り得ませんが、豆知識として覚えておいていただければと思います。