昨日の夕方、散歩の帰り道に、民家の前でみかんの無人販売をしているのを見つけました。一袋百円とお値段も手ごろ。小銭を箱に入れ、嬉しい気持ちで帰り着きました。

食べてみると甘酸っぱくておいしい!

みかんがだいぶ出回って美味しい季節になりましたね。

私は子供の頃からみかんが大好き。手のひらが黄色くなるほど食べてしまったこともあります。食べるのはもちろんのこと、皮をむくときのさわやかな香りも気持ちを嬉しくさせるものです。

みかんは和製で精油も希少ながら存在しますが、私はまだ香りを嗅いだことはありません。そういうわけで、嗅いで思い出すのはオレンジスイート。

 

柑橘系ならではの、甘くフレッシュな香りの精油はオレンジの果皮を圧搾して抽出します。同じオレンジの木と葉からはネロリ、プチグレンの精油が採れます。ギリシャ神話の中で、女神アフロディーテにささげられた黄金のりんごとは、実はオレンジだったと言われます。少なく高価だったため、ヨーロッパでは17世紀まではほとんど使われることはありませんでした。

その後、オレンジの精油はうつ病、心臓疾患、腹痛などの症状に活用され、誰からも好かれる香りは不眠症などの改善にも役立っています。プレゼントにも喜ばれる香りではないでしょうか。

 

『街をゆき 子供の傍を 通るとき 蜜柑の香せり 冬がまた来る』

明治・大正を生きた歌人、木下利玄の作品です。

街の人ごみの中で、子供とのすれ違いにみかんの香りがしたことで、また冬がめぐってきた・・・と言いようのない感慨を感じている作者の優しい気持ちが読み取れます。

気の早い話かもしれませんが、来月は立冬。少しずつ少しずつ、冬が近づいています。