小中学生の頃お世話になっていたバレエ教室が、来月「ジゼル」の公演をすることを新聞で知りました。

村娘ジゼルと貴族の青年アルブレヒトの悲恋のストーリー。感情を見せるドラマティックなバレエです。きっと大勢の人が魅了されることと思います。

バレエ団によっては劇中に使用するユリに生花を使うところもあるようですが、今回はどうするのでしょう。

ユリのことを考えながら、自分が真剣にバレエに取り組んでいた少女時代を思い出しました。週3回のレッスンに加え、毎日の自宅での入念なストレッチ、年数回の舞台が近づくと毎日レッスンにも通いました。体を作るための栄養を考えた食事作りや深夜のお迎え、衣装の飾り付け等に協力してくれた両親にも、ただただ感謝あるのみです。

 

華やかに思われるバレエの世界ですが、私が知る中では舞台の当日限りのお話です。

楽屋の中のドーランの甘い香り、少女たちのおしゃべり、次々に届く花束、それらに囲まれて、舞台化粧をほどこし、出番を待ったものです。

 

様々な花束の中でもひときわ強い香りを放っていたのはユリの花でした。

ポピュラーとは言えませんが、ユリの香りもアロマオイルとして存在します。

副交感神経に働いて消化器官の働きを高め、新陳代謝を高めてくれます。また、女性ホルモンの分泌にも働きかけてくれるので、美肌や骨の形成にも役立ちます。

 

いただいたユリを含む花束は舞台の後自宅でもよく香り、しばらくの間スポットライトを浴びた余韻に浸らせてくれたものです。

 

 

もうひとつ思い出したのが、通っていたミッション系の女子校のこと。学園の精神として魂(たま)ゆずりの言葉があり、『白ゆりのように清らかで,すみれのようにつつましく,ばらのようにまわりの人にほのぼのとした喜びを与え,フリージアのように徳の香り高い人になりましょう』と教えられました。学園の中にも常にユリの花が生けられ、それは美しかったものです。

 

時はたち、クリスチャンにならなかった私は、仏壇にユリを生け、毎朝拝んでいます。

 

 

神様、仏様。少女時代を含め、幸せな今日に感謝します。